青森市の歯医者「ミドリデンタルクリニック」工藤瑞恵です。

国民皆歯科検診のニュースが連日放送されています。ニュースをご覧になって、「えー!?歯医者に行くのを義務化されるの？嫌だな…。」と思った方も多いかと思います。

私たちも、歯医者のイメージが何回も通わなくちゃいけなくて面倒とか、先生が何回も通うように言ってうるさいとか、口の中にトラブルもないのに何故あのキーンって嫌な音のする行きたくない場所に行かないといけないの？という状態だということは十分理解しています（笑）

ですが、先進国の中で日本くらい歯に関心が低い国はありません。現在、日本で1年に1回歯科検診を受けている人の割合は52.9％これを何故100％にするとやっと国が動き出したのか？

そしてなぜ、他の国々は歯をとても大事にするのか？

それは、お口の中、歯の状態が全身疾患に大きく関わる事がわかったからです。

誤嚥性肺炎、成人病、早産、心臓病、脳梗塞、高血圧、糖尿病、コレステロールが上がる。

よく耳にする病名がずらり。これらの病気を誘発するリスクが高いのが虫歯や歯周病。

そして、日本のように保険制度がないので病気になった時のリスクは半端ないものになります。

知人が以前に海外で盲腸を発症した時の話を例に。

まずは痛みに耐えながら言葉もままならないので不安の中、腹痛の我慢の限界に達したため救急車を手配しました。

海外で救急車を呼ぶとまず聞かれるのは、救急車の利用料金の支払いが可能かどうかです。日本のようにどうされましたか？なんて優しい言葉はありません。

救急車の料金も、場所によりますが、1回30万円くらいが相場です。

病院に着いたら、病状の確認の前にまずは支払いが可能なクレジットカードの提示を求められます。

日本だと保険診療で対応していただけますから、どこが痛いですか？検査しますね。と優しい言葉が返ってきます。

盲腸の手術は約100万円。

日本は医療に恵まれたいい国です。

ただ高齢化社会になり、医療費が嵩んでいるため国は病気の予防に取り掛かることを決断したのだと思われます。

国の医療費の削減が最大の目的ではありますが、国民のみんなさんご自身にとってはご自身とご自身の大切な人の健康のためになります。

ではどうしても行きたくない。義務化されたから仕方ない、行くしかない。と覚悟を決めて年に1回歯科検診を受けたとすると年に1回も歯科検診を受けていない人に比べて6年後の医療費は6割に抑えられると言われています。

つまり、病気になるリスクを6割に抑えられるということになります。

本来は歯を失うリスクが1本につき80万円と試算されておりますので、年に2、3回の定期検診に通っていただくのがおすすめです。

何もトラブルがない時に歯医者に通うことで、痛い思いもせずに済み、予定外に歯の治療のために歯医者に通う回数を減らせるので、医療費の節約もできて、健康でいられます。

皆さんにはきっといきなりそんなこと言われても…と戸惑うかもしれません。

歯医者さんの間では何年も前から海外と同様になれば患者さんの健康を守れるお手伝いがしやすくなるのにと言われてきたことがやっと実現しそうです。

美容院やネイル、エステといった場所のように綺麗でいるためにプラス健康でいるために定期的に通える場所として認識していただけるようになれば幸いです。