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青森市の歯医者「ミドリデンタルクリニック」工藤瑞恵です。
こんにちは。
先日患者さんから歯科検診が義務化されるって聞いたんですけど本当ですか?それっていつからですか?とご質問いただきました。
「国民皆歯科検診」はまだ検討中のようです。
一応「2025年開始」と言われていますが、具体的な仕組みや検診の方法、費用などはまだまだ検討中の段階で、私たちのところにも何も情報がきていません。
日本人は国民全員に歯科検診を受けさせる事を義務化するって聞いて「えー!ヤダ!歯医者に何にもないのに行きたくない!」と驚き、嫌だなと思う方も多いかもしれません。
「国民皆歯科検診」を行うことのメリットは
です。
特に国が目的としているのは、超高齢化社会を迎え医療費削減をすることです。
そのため、病気や寿命に深く関係している歯周病を予防しておくことで医療費を削減しようという取り組みなのです。
ですから、遅かれ早かれ執行されることになるでしょう。
では現在の国民皆保険制度の状態で計算すると、定期的に歯科検診を受けている方と、そうでない方には年間の医療費の自己負担にどれくらい差が出るのでしょう?
さまざまな保険組合の調査によると、患者さんが65歳になった時に年間にかかる医療費の自己負担額は少なく見積もっても1人15万円の差が発生すると言われています。
「年金」が満額来ない。。。と言われている我々にとってみたら、年間の年金が全て医療費にかかるかもしれないという、金額です。
そう思ったら、歯科検診くらい行っておいた方が良いと思いませんか?笑
歯医者の立場からもう少しお話しさせていただけるとしたら、世界中が国民の医療費削減、病気になりにくい身体作りのために歯の病の予防に熱心な中、日本ではやっと国が「歯周病」は全身の疾患に大きく関係するため、口腔内を健康に保つことに力を注ぐ気になったんだ、本当に良かったという思いです。
日本の保険医療制度は世界に類を見ないほど充実しています。
海外のドラッグストアのデンタルグッズ売り場を覗いてみると一目瞭然で自分で虫歯治療を行うグッズがたくさん並んでいて驚いてしまいます。
また、生活に余裕のある人は歯の治療用の保険に入っている方が多いのも特徴です。
ですが、その保険も、一年に歯の根っこの治療つまり虫歯治療は4回までと、治療回数と金額に制約を設けているため、2本虫歯があったら、1本は年内に治療して、2本目は翌年にと痛みと闘っていかなければならないため、虫歯や歯周病にならないよう歯並びを整えたりデンタルケアに力を注ぐという予防に熱心に取り組んでいます。
まだ、日本人には予防という意識が根付いていません。
それは、日本の「国民皆保険制度」が充実していたからです。
病院や、歯医者へは何か不具合が出てから行っても自己負担が少ないため海外の方々とは予防に関する意識が天と地ほど違うのです。
「国民皆保険制度」は国民が病気になってしまった時、国民が生活するために日常生活に支障が出ないようとりあえず応急処置を行うという「対処的」な治療を目的にしており、「根本的に治療を行う」ことを目的とはしていません。
そのため小さな虫歯を発症した場合は保険を利用して治療を行い不自由を感じることはないかもしれませんが、大きな虫歯や歯周病、入れ歯と患者さんにとって大掛かりな治療になった場合は「対処的治療方法」の保険制度のせいで細かい規定に悩み苦しんでいる患者さんが多いのも事実です。
1年に1回以上定期的な歯科検診を受けている国民が非常に少ない日本において、今後「国民皆歯科検診」の実行をが行われると、歯科検診を受けたい患者さんの数に対して歯科医院の数が足りない状況になります。
つまり、「国民皆歯科検診」が実行されると今までのように歯科医院が患者さんお急な痛みに対応ができなくなってしまう可能性が発生します。
ですから今のうちにご自身の意思で歯科検診を受け初め、定期的に予防メインテナンスを受けることでホームドクターを設けて下さい。
そして「国民皆歯科検診」が義務化された時に歯の治療で予約の取れない状況に苦しむことがないように準備を整えましょう。
他の病気の誘発を抑え、健康寿命を延ばすとともに一生自分自身のはで食事を楽しむことで人生100年時代を健康的に生きるため口腔内の健康に注意をはらって参りましょう。