青森市の歯医者「ミドリデンタルクリニック」工藤瑞恵です。

2021年9月23日の日経新聞の一面に「ネット診療 患者負担割高」という記事を見つけました。
歯科医院におけるネット診療は、

「直接患者さんに触れられないなど歯科医師が得られる情報に制限」

がありすぎてしまい、一部の治療を除いては対応することは困難です。

これは歯科治療が主に「外科的処置」に位置付けられていることも原因の一つです。

オンライン診療のデメリット

歯科診療には、歯科医師が患者さんの治療を行う際に目で見て確かめるという「視診」の他に、レントゲンや、CTなど直接目で見えない部分の情報を得る事が必須です。

「先生、この歯が痛いんです。」
「あー、そう。この歯。この歯で間違いないですか？」

と言ってきちんと検査もせず歯を削ってしまったら、元には戻せません。

髪の毛のように伸びもしませんし、皮膚のように再生もしません。

ですから患者さんの言葉だけを聞いて治療にあたると、痛みの原因が隣の歯にあるかもしれない、健康な歯を削ってしまうかもしれない。

そんな危険を孕んでいるので、情報をいただいた上で治療に入りたいのです。

これは歯科治療の情報がないまま治療を行うにはとても危険な外科的医療に位置しているからです。

当院のオンライン診療

当院では、「オンライン診療」は、「カウンセリングのみ」患者さんのご希望があれば承っています。

ちなみに料金は、インビザラインマウスピース矯正のカウンセリング、一般治療ともに1回30分2回まででしたら当院へお越しいただいた場合でも、オンラインであっても無料とさせていただいております。

院長カウンセリングは別途となっています。ご了承ください。

さて、オンライン診療は、実はだいぶ前から必要だとささやかれていた診療方針ですが、新型コロナが発生して以降、歯科のみならず医療機関全体の急務事項として現場ではここ2年で対応を迫られたというのが現実的な状況です。

そのため、オンライン診療を始めるにあたり多くの医療機関が、オンラインカウンセリング専用のパソコン、iPad、インターネット環境など機械を準備する必要がありました。

また、オンラインカウンセリングを行う際の人員は通常カウンセリングの2倍、準備は3倍になっています。

ただ遠方にいらっしゃるご家族と一緒に話が聞けて治療方法を選択できたり、医療機関へ出向く必要がないので非常に便利です。

実際当院でZoomなどを利用してみて感じるのは、患者さんの温度を感じられないこと、通信が途絶えがちなこと、私たちが感じるこれはきっと、患者さんサイドから見たら日常的にZoomのカウンセリングを行なっている私たちよりさらに不都合に感じてしまうのではないかと危惧するポイントとなっています。

もちろん、新型コロナ発生の初期の頃のように、何とも分からない緊急状況であれば便利ですが、私的意見で恐縮ですが、やはりずーっとオンライン利用というのは難しんじゃないかな、と感じています。

当院では追加料金はいただいておりません。

ですが日経新聞の記事にあったように、厚労省が医療機関に対して診療システムにかかる費用や、通信量など患者さんに保険外で請求することを認めています。

早急に保険診療で認めてもらえるよう改善がなされたら患者さんにとってもっと使いやすいだろうにと感じています。

さまざまな改善がされていけば、厚労省が求める医療の効率化はもちろんですが、患者さんにとって沢山の治療方法が選択できるこの時代にあった診療方法が手軽で便利に使えるようになることで、未病の状態で病院に通う、「予防医療」に取り組んでくださる患者さんが増えるのではないかなと感じる今日この頃です。

ミドリデンタルクリニック　工藤瑞恵