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青森市の歯医者「ミドリデンタルクリニック」工藤瑞恵です。
自由診療は歯医者さんが儲かるための治療と誤解を受けることが多いため、自由診療を行うことに躊躇する歯医者さんがたくさんいます。
ですが、自由診療とは「根本的な治療を望む方向けの治療方法」が本来の治療目的です。
保険診療は治療に使う材料、回数、方法が細かく決められているだけでなく、困っている患者さんの「歯」をいったん食べれるように治療するというスタンスの対処的治療なのです。
例えば、「銀歯」。最初に銀歯を作ったのはドイツですが、今はドイツをはじめ他国では銀歯を使うことが禁止されています。
なぜなら銀歯を国民の口腔内に使うことは「身体に良くない」とわかっているからです。
ではなぜ日本は身体によくない「銀歯」を国民の口に入れることを許可しているのか?それは、保険診療は対処的治療というスタンスだからなのです。
ただ、ここ数十年の間に金属の価格が急激に高騰したこともあってこれまで「銀歯」一択だった保険診療にプラスチックの歯を選択できるようになりました。
それでも、汚れがつきにくく、自分の歯と見比べた時に同様に使える強度と見た目のいい、「セラミックス」などの素材は選択できません。
「セラミックス」も「プラスチック」も最初は同じく白いけれど、プラスチック容器と陶器の容器を並べて比べたら一目瞭然です。
例えば台所の食器として考えてみると、ナポリタンの色がつきやすいプラスチックのお弁当箱と陶器の食器と同じく汚れの落ち方が違います。
これらが口腔内で起きていたと仮定して考えていただけたら、みなさんどうでしょうか?
汚れ落ちのいい、口腔内の管理がしやすい「セラミックス」を選択されるのではないでしょうか?
しかし、保険制度の枠の中に治療素材の選択肢は患者さんにありません。特に「銀歯」ではなく「プラスチック」を選択するにも保険制度という一定のルールに縛られています。
「プラスチック」の歯を選択するためのルールは患者さんの歯の本数や、どこの歯がある、ないによってプラスチックの歯が選択できる、できないが細かく決められており、誰もが受けられる治療で無くなっているのが現状です。
国は高齢化社会において、国民の医療費の負担を下げることが必須項目であることから、海外の国々が口腔内の衛生が全身に及ぼす影響に注目し、予防医療にやっと注目するようになり「国民皆歯科検診」を進言するようになりました。
コロナという感染症が発生したこともあり、世界中が口腔内の衛生について着目するようになりました。以前のようにマスクをせず、みんなで楽しく会食をし、自由に世界を飛び回る生活を求めるためには皆が衛生的な口腔内を維持して、感染症に強い唾液の質を管理することが必要であると一気に意識改革が行われたのです。
残念なことに、保険制度は病気にならない身体作りを目的とした「予防」という項目を設けていません。
なぜなら日本の保険制度は「対処的治療」であり、病気になってしまった際に不自由がないように国民が困らないよう対処しておくことが目的です。
そして、治療の材料も、方法も、回数も、期間も昔の電話帳くらいの本に程の分厚い本に小さな文字で羅列され細かく決められています。
「先生、なんで今日全部一気に治療できないの?」
「入れ歯を作り直したい」
「いい薬があるならそれを使いたい」
全てに細かいルールがあり、患者さんの要望に応えられず苦しい思いをすることもたくさんあります。
つまり患者さんが望む治療方法を提供するために、そして未病のうちに「予防」を行うには「自由診療」しか選択肢がないのです。
「保険制度」と「自由診療」呼び方がよくないかも笑
「保険治療=対処的治療」であり、「自由診療=選択可能な根本的治療」です。
そのため、当院では患者さんにさまざまな治療方法の選択肢をお話しした上で治療方法を選択いただけるよう治療方法のカウンセリングを行うこととしています。
「自由診療」は決して悪な治療方法ではないことをご理解いただけたら幸いです。