青森市緑にある歯科医院 [ミドリデンタルクリニック]

〒030-0845青森県青森市緑2-13-14

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2025年の国民皆歯科検診が始まると歯医者さんって儲かってウハウハ?

青森市の歯医者「ミドリデンタルクリニック」工藤瑞恵です。

2024年12月からの保険証廃止、そして医療費の削減を目的とした「国民皆歯科検診」が2025年よりスタートします。

歯科業界では心配の種が連続して起こる転換期に向けて歯科の先生方は雲を掴む思いでいます。

ただ、多くの皆さんは「歯医者はいっぱい患者が呼び込めるようになって儲かるんでしょ。」と思っていらっしゃることでしょう。

そんなウハウハな状況ならば嬉しい限りなのですが、現実はそうではありません。
国民皆歯科検診が導入されると本当に歯医者は儲かるのでしょうか?

現在日本では予防のために自ら歯医者に通う割合は5%と言われています。

さらに2021年の調査によると20〜70歳代の職場や自治体の実施する歯科検診受診率は13%程度です。

そのため予防のために全国民に歯科検診が義務化されると歯科医院余りと言われる現在の歯科医院数では賄いきれないのです。

受け入れ側の歯医者の立場から肌感覚で患者さんの受診者数を計算すると少なくても一日平均5〜6倍の検診患者さんの増加を見込んでいます。

それならやっぱり儲かるんじゃんと思った方もいらっしゃるかもしれません。
コロナの時の病院の受け入れ人数制限の状況を思い出していただけるとイメージしやすいかもしレません。

確かに「来院人数の増加」は見込めますが、受け入れ可能な人数を毎日ご予約のみで100%で診療し、急なお困りごとで来院する患者さんを受け入れると可動は120%の力が毎日消費されています。

それを国民皆検診が義務になったから5 〜6倍の患者さんがいらっしゃるからと決まった医師の人数で、決まった椅子の数、従業員ので受け入れ人数の数を増やして稼働率を200%にすることは各医院現実的に難しい、正直厳しいのです。

そのため、歯科の先生方は国民皆歯科検診に対して、現在それぞれの医院にて定期的にご利用いただいいている患者さんを優先して受け入れる動きが活発化しています。

まず第一の心配事は、稼働率200%は到底受け入れられないので、ご予約の変更やキャンセルの受け入れが難しくなります。

さらに、急な痛みで歯科医院に当日急にかかろうとしても受け入れ側も今まで以上に患者さんを受け入れている状況になっていますので受診が難しくなります。

特に受診したい歯科医院への来院が初めての場合は患者さんの診査に時間を要するため定期的にその歯科医院にかかっていないと受け入れは困難を極めます。

つまり歯科検診が義務化され、その際に発見された要治療箇所の治療を放置してしまうと急な痛みが発生した場合、歯科医院側は診察したくても連日診療のキャパを超えているために、患者さんの受け入れが叶わないので診療をお断りすることが発生してしまうというジレンマを歯医者も患者さんも抱えてしまうのです。

結果、今までのように診察が受けられないという状況になるのです。

国民皆検診は、国民の医療費の削減のために国が出している政策です。
歯周病など口腔内の病気が全身疾患に大きく関係すること、これまで病気になった時に手厚い医療保険制度でした。

これからは国民に病気になる前の「予防」を行うことを義務化し医療費を下げる医療保険制度にシフトしていきます。

当院では現在定期的に検診を受けていただいている患者さんが困らないように、診療ができるようあらゆるパターンを想定して準備に取り掛かっています。

まだまだ雲を掴むような制度ですが、ご来院の皆さまにおかれましても国民皆歯科検診がスタートする前の2024年より積極的に「予防」に取り組んでいただき、国民皆歯科検診に備えていただけたらと存じます。